大阪唯一のブランドミニトマトの名はAmamade(アマメイド)!ミニトマト狩りができる農園

株式会社キノシタファーム / 代表取締役社長 木下健司 氏

大阪市内から車で約1時間ほどのところにある『道の駅 いずみ山愛の里』和泉市(※1)のすぐ近くに全国的にもめずらしいミニトマト狩りのできるトマト園『キノシタファーム』がある。ハウスの中なので雨の日でも楽しむことができる。「トマトってそんなに食べられるもんなの?」と思われる方もいるだろうが、キノシタファームのミニトマトは、大人も子どももパクパク食べられる。通年糖度8.0以上(※2)の甘さと酸味のバランスのいいミニトマトは、百貨店の店頭にも並ぶ大阪唯一のブランドミニトマトだ。
自ら農園をトマトメーカーと位置づけ、安定した供給を維持している株式会社キノシタファームの代表取締役の木下健司氏に農業経営への思いを聞いた。

※1 道の駅 いずみ山愛の里:大阪府和泉市にある国道170号の道の駅である。2008年7月20日開駅。2022年4月に地場産品販売所を新築増設しリニューアルオープンした。 和泉市の文化施設である和泉市立南部リージョンセンターを併設する。
道の駅 いずみ山愛の里 WEBサイト


※2 糖度とは甘さを表す指標の一つ。果物や野菜の糖度は、果汁100グラム中に含まれる糖分の量を示します。その8度以上の具体的な食材とその糖度は次の通り。イチゴ: 8.0〜15.0度、みかん: 10.0〜14.0度、ぶどう: 17.0〜22.0度、りんご: 12.0〜17.0度、バナナ: 20.0〜21.0度、さつまいも: 8.0〜12.0度

大阪唯一のブランドミニトマトの名はAmamade(アマメイド)!ミニトマト狩りができる農園


バッグ栽培に出会い、ミニトマト栽培に着手



木下氏の実家は、軟弱野菜(※3)などを栽培している農家であったが、農家を継ぐ気がなかった木下氏は大学を卒業後は商社、大手製紙メーカーで6年間サラリーマンを経験した。

※3 軟弱野菜(なんじゃくやさい)とは、野菜のうち収穫から急速にいたみはじめる野菜のこと。青物に多い。ホウレンソウ、シュンギク、葉ネギ、コマツナ、チンゲンサイ、もやし、ミズナ他などが典型である。

農業をやるきっかけは、30歳を目前にしたある日、大学時代にコンビニでアルバイトしていた頃の店長の言葉だった。
「家が農業をやっていることはすごいこと。アドバンテージがある。君が今農業をしたければすぐにでもできるやろ。普通はそうやない。」
農業を継ぐ気持ちはなかった木下氏だが、自分の恵まれた環境に気づき、会社を辞め、両親と一緒に岸和田で軟弱野菜の栽培を始めた。木下氏が農家を継ぐとは思っていなかった両親は、自分たちができる範囲の農業に縮小し始めていた矢先であった。
当時、農家としての技術も基礎知識も何もないまま農家になった木下氏は、農家としての将来どうしていくかまだ決めてはいなかった。

あのとき、雨が降って暇になってなかったら、今の僕はなかったです。

農作業がない雨の日、今日は休みにしようと思っていた木下氏だったが、ちょうどその日に大阪府の経済講座があったので参加した。そこでサンプルとして配られたのが運命のトマトとの出会いだった。

正直トマトはあまり好きじゃなかったんですが、あのとき初めておいしいと思ったんです。


そのトマトはバッグ栽培で育てられていた。これが、木下氏とバッグ栽培の出会いだった。なんておいしいトマトなんだと感動した木下氏は、すぐさま行動に移す。翌週にはバッグ栽培の研修農場に見学行った。そこで、人手が欲しいからと誘われ、半年間、研修所で働きながらバッグ栽培を徹底的に学んだ。

その頃、家の農業は、僕が半年ほど抜けても大丈夫だったんですよ。


バッグ栽培というのは、静岡の老舗有機肥料会社が開発し、有機質の詰まった肥料袋(バッグ)に直接トマトの苗を植え、鰹や昆布エキスを使った肥料を使用する栽培方法である。バッグの中でトマトが育つため、畑を耕す必要がなく、難しい土作りもいらない。バッグ栽培の強みは、年間を通じて販売することが可能なことだ。
トマトはハウスで育ててもどうしても端境期がでる。年間を通じて収穫できるバッグ栽培、これはキノシタファームの大きな強みになった。
これで自分の農業ができると、両親の畑とは別に岸和田で10アールの農地を借り、バッグ栽培でミニトマトを育て始めることとなる。

大阪唯一のブランドミニトマトの名はAmamade(アマメイド)!ミニトマト狩りができる農園

バッグ栽培は最初から肥料の管理ができています。あとは、温度管理や水遣りなどの栽培に集中できるんです。トマトを育てていると、普通はより糖度の高いものを目指すことが多いのですが、僕が決めているのは糖度を8度以下にはしないこと。でも上には上がなんぼでもいます。ただサラリーマン時代に身に付けた独自のモノ売りがどういうことか考えると、いいものがあれば必ずそれを欲しがるお客さんがいるということなんです。


大阪唯一のブランドミニトマト「Amamade(アマメイド)」



スーパーには何種類ものトマトが並ぶ。しかし、今日買ったトマトがおいしかったから、翌日も購入しようと思っても目当てのトマトがない場合がある。それでは、せっかくファンになってくれても購入し続けてもらえない。木下氏は「糖度8以上」「安定供給が可能」という強みを武器に、いつ行ってもスーパーの同じ棚に並んでいれば、しかもおいしければそれを目当てにスーパーに来てもらえるはずだ。トマト目当てに来てもキャベツも玉ねぎも買ってくれる。サラリーマン時代に培った営業能力がここで発揮されると考えたのである。

2011年に岸和田に道の駅・愛彩ランド(※4)がオープンしたときに、木下氏は「陳列台の一列に年間を通じてうちのトマトを出します」と交渉した。お客さんはその道の駅に行けば、いつでもキノシタファームのミニトマトに出会える。女性の手の平サイズのビニール袋に160gのミニトマトが入っており、買いやすいサイズと「おいしいから買おう」と思える価格帯(1袋295円)である。しかも気候条件によって収穫量が変わり、値段が変動する他のトマトと違い、キノシタファームのミニトマトは価格の変動がない。こうして、販売先を拡げていった。

※4 道の駅・愛彩ランド:大阪府岸和田市にある農産物や花、海鮮を扱う直売所がある道の駅。ランチを楽しめるレストランを併設。
道の駅・愛彩ランド WEBサイト


現在、キノシタファームは、岸和田市と和泉市に約1万㎡の畑があり、そのうち約5,500㎡でミニトマトを栽培している。ミニトマトはすべてバッグ栽培である。年間出荷しているミニトマトは約30トン(3万キログラム)である。同じ面積の農地でもまだまだ増やせるはずなので、農地を広げて収穫量を増やすのではなく、今ある農地で効率を上げ収穫量を増やしながら収益を上げていきたいと考えている。今後の目標は、40トンである。
2019年にAmamade(アマメイド)という独自ブランドを立ち上げた。ロゴに使用されているイラストは人魚をイメージしているが、どことなくトマトの形にも似ている。髪飾りの真っ赤なトマトに、おいしいものを食べたときのような表情がとてもキュートだ。

大阪唯一のブランドミニトマトの名はAmamade(アマメイド)!ミニトマト狩りができる農園

マーメイド(mermaid)とメイク(make)を合わせてAmamade(アマメイド)にしました。うちのトマトは甘味と酸味のバランスがいいので、それを連想してもらえるようにイメージしたんです。
大阪初のトマトブランドの誕生である。


大阪初、ミニトマト狩りのできる農園



キノシタファームのもうひとつの柱は、トマト狩りだ。これも大阪初である。

トマト狩りは、バッグ栽培を始めたときから考えていました。大阪の人は変わったもんや面白いものが好きや思いますし、バッグ栽培のトマト狩りは雨でもできます。服も汚れないし、なんぼでも食べてええんで。

普通のトマトではなかなか成り立たないが、キノシタファームの10個でも20個でも食べられるミニトマトなら成立する。なにより甘くておいしい。しかも百貨店やリッツカールトンでも販売されているちょっと高級なトマトが1時間食べ放題というのは嬉しい。60分好きなだけ食べて大人2,200円(税込)、小学生は(1,100円)、未就学は無料だ。期間は3月から7月。2024年のミニトマト狩りは3月16日スタートの予定だ。

大阪唯一のブランドミニトマトの名はAmamade(アマメイド)!ミニトマト狩りができる農園


ニーズに応えたい、その思いが原動力



世の中のニーズに応えられるものを栽培して販売する。木下氏は、常にそれを念頭に置いている。農園を安定させ、より販売力をつけ、スタッフに「キノシタファームに来てよかった」と言われるような会社にしたいと木下氏はいう。トマト狩りはそのためのひとつの起爆剤になるはずだ。観光バスも停めることができる駐車場もあるので大阪観光のひとつとしての広がりも期待できる。

まだまだ販売先は拡げられます。トマトはスーパーで買うものだと思われていますが、本屋でも美容室で売られててもいいと思うんです。

営業には自信を持っている木下氏。そのための布石を打ち、勉強もしてきた。大阪若手農業者の 4Hクラブ(※5)の会長を歴任、大阪府の農業系委員会などでも積極的に儲かる農業を提唱してきた。農業経験の講演依頼も多い。講演を聞いて「あの時の話が役立った」とか「木下さんの話を聞いて農家になった」という声が聞こえてくると、農業に貢献できていると嬉しくなるそうだ。

大阪唯一のブランドミニトマトの名はAmamade(アマメイド)!ミニトマト狩りができる農園


農家の場合、農業技術を習得したスタッフが独立し、同じ農作物を作り始めると競合相手になりがちである。しかし、キノシタファームの場合は違う。同じ農作物であるAmamade(アマメイド)を栽培してくれれば、仲間になる。販売先は木下氏が支えることができる。そのために立ち上げたブランドでもある。
農産物はないときは高く、あるときは安いというのが当たり前になっている。木下氏は、そうならないために安定した収穫量と相場に左右されない価格設定をし続ける。それがキノシタファームのポリシーだ。
製品が売れる仕組みづくりの基づいたブランド作りは、まだまだいろんな可能性を秘めている。木下氏が今までに蒔き続けた種が実り始めている。

※5  4Hクラブ:将来の倭国の農業を支える20~30代前半の若い農業者が中心となって組織され、農業経営をしていくうえでの身近な課題の解決方法を検討したり、より良い技術を検討するためのプロジェクト活動を中心に、消費者や他クラブとの交流、地域ボランティア活動を行っている。4Hとは、農業の改良と生活の改善に役立つ腕(Hands)を磨き、科学的に物を考えることのできる頭(Head)の訓練をし、誠実で友情に富む心(Heart)を培い、楽しく暮らし、元気で働くための健康(Health)を増進するという、同クラブの4つの信条の頭文字を総称。

株式会社キノシタファーム
本社:大阪府和泉市仏並町3022
オフィシャルサイト:https://kinoshitafarm.com/


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